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第18話

a memory from summer no.11 職場編 その6 居間の二脚の対面に置かれたソファーに深々と腰を掛けてる、 教頭先生と青木さん。 まぁ、文句の一つも言う前に、長い距離を運転してもらった事を思い出し、 「 コーヒー入れますか? 」 と2人に聞いてみる。 「 おお、ありがと 」 「 サンキュ」 と、綺麗にハモった2人。 備え付けのバーに用意してあったコーヒーメーカーで、ドリップを用意する。 ポコポコとコーヒーの落ちる音を聞いてると、何故だか軽い目眩を覚えた。 「 おい、大丈夫か? 」 少しよろめいたので、バー一式が入ってるキャビネットに手をついた俺に教頭先生が声をかけながら寄って来る。 応える前に、額に手を当てられ クッと眉を顰めた教頭先生。 「 熱があるじゃないか 」 あ、コーヒー落ちた。 とそのことに気を取られていると、 もう一回、 「 先生、いつからだ?暑いんだろう? 」 と聞かれた。 カップを用意しようとした手を止められ、そばの1人がけのソファーに座らされる。 「 コーヒーできたんで、入れます 」 と言うと、青木さんがスクッと立ち上がり、大股でキャビネットに寄ると、 コーヒーを注ぎ始めた。 腰を上げようとする俺の肩を掴んで、 「 いいから。座ってて、 体温計、生徒の付き添いじゃないから、さすがに持ってきてないわ。 フロントにかけるか 」 と教頭先生はソファーの横のローテーブルに置いてある、電話の受話器を取った。 教頭先生が、電話してる間に、目の前には湯気を上げてるコーヒー。 「 具合が悪いなら水の方がいいか? 」 と青木さんに聞かれて、 大丈夫とかなんとか自分が言ったのはわかったけど、身体は全く動かなくなった。 やばい、倒れそう…… 身体が右に傾いて、右から大きな手に頭を支えられてのはわかった。 仄かなフレグランス、少し汗と混じった男っぽいその香りに思わず顔を埋めた。 そのまま、俺は気を失ったらしい。

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