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第27話
a memory from summer no.20
職場編 その13
「 朝からお疲れですか? 」
俺に声をかけられてる?
と横を見ると、朝から暑苦しいほど堂々とした体躯で青木さんが立っていた。
昨日かけた迷惑を思い出し、
「 昨日はありがとうございました。ご面倒おかけしました。すみませんでした 」
「 いやいや、体調良くなりましたか?」
「 おかげさまで 」
「 それなら良かった。なに、良いものも見せて貰ったし、菅山と久しぶりにゆっくり話せましたから、色々とね 」
意味深な口ぶりで話す青木さんは満面な笑みを浮かべている。
なんだ?良いものって……
「 三枝さんが休んでいる間、
下のバーで楽しくおしゃべりをしましたから、
まあ、楽しかったのは俺だけかな 。
あっ、そろそろ始まりますね、最初の講義は私なんですよ、
では又後で」
と言いたいことだけ言って青木さんはスクリーンが設置されている前方へ降りて行った。
なんだかいちいち気になることを言われた気がしたけど、上着を脱ぎシャツシャツの腕を肘まで捲り上げた青木さんの特別講義が始まると、
その内容、ボリューム、に他のことを考えてる余裕はなくなった。
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