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第32話

a memory from summer no.25 職場編 その18 夕飯を一緒にという目的はいつの間にか飲み会になる。 歳下の先生たち相手に、時には賛同しときには反論し合う、そして、楽しかった時間も終わる。 「 三枝さん、ホテルは? 」 「 ああ、おれ宝ヶ池だから ここで 」 と言っても、辰野君はついてくる。 「 辰野君は東西線でしょ 」 と言っても、送るからとかなんとか。 おかしいよね、こんなオヤジ送ってくるのって。 一応ベテラン、ここはキリッと言うことにした。 「 辰野君、明日もあるんだし、ここでね 」 拒絶の言葉が強かったのか、 少しうつむき目じりをたわめた辰野君は 「 三枝さん、気をつけて 」 と言って別れたが、烏丸御池の駅改札を抜ける俺を後ろから見つめているのがわかった。 なんか胸がうずくが理由は俺なりにわかっている、似てるんだ、だから仕方ない。そういえば、何も連絡せずにこっちへ来ちゃったけど杏果から伝わってるよな。まあ、明日にでも……。 地下鉄に乗った途端、ふと、教頭先生の事が気になった。 あの後きちんと会食に参加したんだろうか?したよね…… 青木さんなら強引に引っ張って行くはず。 罪悪感よりすこし薄い困った感情を持て余しながらホテルに帰ってきた。 夜のホテルはフロントもシーンとしている。足早にエレベーターに向かった。 宿泊階に着き廊下を進む。 カードキーで開けた部屋は真っ暗で、だれもいない。 ホット息を吐き、さて、教頭先生は?とスマホを見て、なにもないことを確認し寝る支度を始めた。 明日もハードな講習、寝なくちゃ。 風呂に入り、身支度整えてもまだ帰ってこない。 仕方ないとベッドに入る。 やはり疲れには勝てない、すーっと睡魔は訪れた。真っ暗な中で、なにか音がしてる、なんだ?と思いながら意識は闇の中。

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