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第37話

a memory from summer no.29 職場編 その22 カウンター割烹 ビールのつがれたチューリップ型のピルスナーグラスが前に置かれ、目だけで軽く乾杯すると先生は一気に半分ほど飲み干した。 「 暑かったなぁ 」 と前の板前さんに声をかけると、 暫く京都の夏の話など世間話をしている。 どうやらこの人はこの店の店長らしい。 教頭先生のなげかけと、それに落ち着いた口調で対応するやりとりを聞きながら、白川沿いの桜と柳並木が混在し川に木陰を映している姿を眺めていると、 「 いらっしゃいませ 」 というひときわ大きな板前さんの挨拶と共に、 青木さんが到着した。 教頭先生の横にネクタイを緩めながら 「 お待たせ 」 と腰を下ろす。 「 俺もビール。なんだ、まだ一杯目か? 」 「ああ、俺たちも少し前に着いたんだよ 」 奥に座る俺をひょこっと見て、 「 三枝君もお疲れさま。 暫くぶりだろ?講習なんて 」 と言いながらビールを受け取り、 教頭先生はビールのお代わり、俺は半分ほど減ったビールで、 又乾杯の真似事をする。 青木さんも一気に半分ほど飲み干して、 「いやぁ、 今回はカリキュラム突っ込みすぎた 大変だったな 」 「おう、俺の講習なんて、普段やらない方面のだろ? 」 「 ああ、文科省の関係者とか、集めるのに手がかかったけど、これからは絶対に必要な分野だからな、顔つなぎにもなったし 」 教頭先生の講習の分野は進学塾が手がけるとも思えなかった分野で、 先生が今後やりたい事に繋がっていくのかどうなのか?この間話してたのは単なる進学塾で教えるっていう事じゃないってことかな。 2人の話しを聞きながらつらつらとそんな事を考えていると、 「 お待たせしました 」 と目の前に綺麗に盛付けされた濃い翠の釉薬の長皿が置かれた。 ------------ 次からは、お料理の話を交えながら、進めたいと思います。 (リアルを入れながら)

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