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第40話
a memory from summer no.32
職場編 その25
カウンター割烹
次は吸い物のお椀が出てきた。
「 お椀は
冬瓜汁で具に牡丹鱧が入っています 」
鈍いうぐいす色の器に、
薄緑のとっぷりとした汁、もっちりとした鱧、その上にのせられた
酢橘が器から始まる緑のグラデーションを引き締めて、食欲をそそる。
一口飲んだ青木さんが
「 こりゃうめえな 」
ウンウンとうなづきながら
お椀を楽しむ。
「 翡翠色の中に薄く白い鱧。
その上に一筋のっかってる冬瓜が鮮やかな黄緑、
絵を見てるみたいだな……」
いつもの教頭先生からは想像できない詩的なものいいに驚きながら。
「 だしが効いてて、冬瓜のトロミが舌触りよくって美味しい! 」
同感で褒めた言葉に青木さんが反応する。
「 おっ、三枝君よく分かってるな 」
「 美味しいものはわかります 」
自分だって、いの一番に
『うめぇ』って言ってたじゃないかと、ちょっとツンとして言い返す俺。
先生だけマイペースで黙々と料理を味わっているのが、なんとなくおかしい。
空になったグラスを見て、
「 次は何になさいますか?」
と店長に聞かれた先生は早速
「 店長のお勧めは何? 」
と嬉しそうに返した。
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料理の画像はアトリエブログの最初の頃に入れてあります。
美しい盛り付けなので是非ご覧ください。
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