53 / 207
第54話
a memory from summer no.47
恋人編 その8 (職場編 その40)
ロビーのソファに座っていたのは、
京都にくる前には一緒に過ごした 男 。その男がすくっと立ち上がった。
こちらに歩み寄りながら
「 おはようございます 」
「 お、早いな、おはよう 」
「 朝一番ののぞみで来ましたから 」
時計を見ると8時40分になろうとしてるところ。
「 おはようございます 」
菅山先生の方にも挨拶をする
会ったことないよな、紹介するのか……とどういう風に?と逡巡していると、
「 初めまして、かな、三枝君とは同じ高校で、教頭の菅山です 」
「 私は、、こちらの三枝ヒロシさんと親しくさせて頂いております、割井俊です 」
すっと姿勢を正しにっこりと笑って挨拶するその姿教頭先生は
あっと何か気づいたように小さく声をあげた。
先生の張り付くような視線を感じた俊が、
うん?という顔をしたので
「 朝飯は?食べた? 俺たちは今からなんだよ!
先生、腹減りましたよね 」
俺は慌てて2人に声をかけた。
ばれたよね、俊が誰かに似ていたということに……
俺も今はっきりと、俊の立ち姿を見て思い出したもの。
教頭先生もわかったはず。
人見知り気味の俺がすぐに親しくなった理由を。
しばらく見つめあってた2人だけと、
俊の方から、
「 お二人ともジョギングの後ですか?汗を流しますよね。
私も朝まだなのでご一緒しますよ 」
と、歩き出す。
「 え?どこに行くのお前は 」
と聞くと、
「 もちろん部屋まで行きますよ、1人で待っていてもすることもないし 」
「 いやいや、朝飯は1階のラウンジで取れるから、俊はそこでコーヒーでも飲んでて 」
「 コーヒー飲むなら、シャワー待っている間に部屋で飲みますよ。ルームサービスで置いてあるでしょ?コーヒーは 」
とエレベーターホールに向かう俊。
まずい、俊には伝えたなかったんだ今回の講習の事を、
一緒の部屋なんだよと
ーーーーーーーーー
三枝先生と割井俊
実は昔……2人の過去は
短編
"the rest of the time
残りの時間"
に書いてあります。
フジョッシーさんにアップしてありますので、
興味がある方はお読みいただけましたら嬉しい!
ともだちにシェアしよう!