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第57話

a memory from summer no.50 恋人編 その11(職場編 その43) お食事はこちらで、とスタッフが呼びにくるのと同時に教頭先生がラウンジに入ってくる。 生成りベージュ色で七分袖Vネックのカットソーに濃い紺色の裾をわずかにロールアップさせたパンツ、靴は黒のローファーを履いている。 こんな格好でこのガタイの良さだと歳をいくつかは騙せるな。 と妙な感想が頭に浮かんでくる。 よほど気まずいんだ、俺は今。 「 よお、待たせた。今からか? 」 「 ええ 」 とここで毎朝、朝定を食べている奥の座席の方に向かうと、 俊が付いてこない。 え?と思って振り返ると元のソファのところに立ったまま。 「 どうしたんだよ 」 「 俺はこっちで食べるよ 」 これには教頭先生も 「 いや、こちらで一緒に 」 と言うと、 「 和食にフレンチトーストの甘い香りは合わないでしょうから、遠慮します。私はこちらで 」 とスタッフに自分のぶんをソファのところに持ってくるよう指示した。 何を考えてるんだろう?と思ったけど、俊らしいなと俺はそのまま奥の席に先生を促した。 「 いいのか? 」 と言うので 「 あいつ、変わってるから。 大丈夫です、本気で和食とフレンチトーストの匂いがかぶるとおかしいと思うようなやつですから 」 そう言い切った俺の顔を暫く見ていたが、咳払い1つして奥の和定食の用意された席に2人で座った。 「 お腹減りましたね 」 「 さすがにあれだけ走ればな 」 先生と俺ともちろん意識して、このあとのことは食事中には話題はしなかった。 食事が終わって、コーヒーを注文する。あっちへ運んでという先生の言葉 ああ、今日のこの先、話さないといけないのか。 俊の座ってるソファの方へ移動する。 とうの俊は隣のソファセットに座ってる女の二人連れに何やら声をかけられて応えてる。僕らが席に座り、やっと俺たちに気がついたよう。 なんだか落ち着かないな、この雰囲気は。 3人、誰も話しださない。やはり最初は俺しかいないか。 「 俊、俺は先生と帰るから 」

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