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第62話
a memory from summer no.55
恋人編 その16(職場編 その48)
3人は切れた俺にギョッとして顔を向ける。この微妙な雰囲気は俺のせいなのか?ため息がでる。
「 先生、荷物取って来ましょう 」
「 ああ 」
青木さんの方を気にしながら、
「 ちょっと待っててくれ、荷物取ってきてチェックアウトするから 」
青木さんと俊をラウンジに残して俺と教頭先生はエレベーターで上に上がった。
「 先生、青木さんにはなんて? 」
「 うん、いや、三枝くんはもう彼と一緒に帰るんだろうと思ったから 」
「 思ったから? 」
「 ごほん……まぁ青木も帰るはずだから誘っただけだ 」
「 なんて? 」
「 いや、もう一晩ゆっくりできるのか?って 」
はあ、それで青木さんが来たわけだ。
「 三枝くんの方こそ、彼を呼んだんじゃ 」
「 呼びません 」
「 呼ぶわけないでしょ!研修できてるのに! 」
「 そ、そうか… 」
俺の方は荷物をまとめてあったので先にフロントに降りることにした。俊に帰るように伝えなきゃならないし。
やれやれ、繋がらなかったスマフォの言い訳もまだしていない。
下に降りると、フロント前のソファに青木さんと俊が座っている。
「 俊 」
と呼びかけながら近づくと、
青木さんは
「 お邪魔虫は僕の夢~好きって言って~ 」
となんか聞いたことのあるようなないような歌みたいなものを口ずさみながら俺に手を振って外に出て行った。
「 変な人ですね、あれ、初○ミクの歌の歌詞ですよ 」
俊にとうとう変な人扱いされた青木さんは外に行き、俺は俊の眼の前に座った。
まじまじ見ると、今日の俊は真っ白なのラフな襟付きのカットソーにえんじ色2色替えショートパンツ。くるぶしにはターコイズ系の色のアンクレットで、深緑色のデッキシューズ。
膝上のパンツからまっすぐで長い脚がこれ見よがしに伸ばされている、
いまどきの雑誌から抜け出たようなモデルばりのスタイルで。
だからさっきからホテルの女性客がチラチラこっちを見てるのかと改めて納得する。
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