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第69話

a memory from summer no.62 4人で その6 本気なのか?といぶかしむ俺に、 近寄ってきた青木さんが、 「 何?口説かれてた? 」 とからかう。思わず俊の方を伺うと、 「 ダメですよ、この2人に隙見せちゃ 」 と、捨て置けない事を言う。 「 なんだよ2人って 」 「 え?気づいてないんですか? 」 その言葉に笑いながら、肩を抱くように俺に腕を回した青木さんは、 「 この歳で天然ってのも美味そうだな 」 「 油断も隙もないなら、全くこの"オヤジ"は 」 と、失礼な事を言いながら俺の腕を引いて青木さんから離す俊。 美味そうって意味がわからないよ。 「 ほら、飯に行くぞ 」 もう一回教頭先生は俺たちに声をかけて歩いて行く。 公園になっている広場を一周する遊歩道をしばらく歩くと、明治の洋館のスタイルのレストランがあった。 男4人連れは珍しいらしく、結構人が入っている店内からチラチラと視線を感じながらボーイに席に案内される。明治時代のレシピだという説明をされながら渡されたメニューから、お勧めだというオムライスとビーフカレーをそれぞれ頼む。 「 しかしなんだな、今朝あったばかりの割井君、何だか昔からの知り合いみたいに感じるな 」 「 青木さんが誰かに似てるような気がするんですが、それで初めて会った気が俺もしないのかなとは思ってます 」 「 なんか回りくどい言い方だなぁ。商社マンとして失格だぞ。その俺に似てるのってどこの知り合い?」 「 塾の経営者としては問題ありまくりの青木さんには失格なんて言われたくないですけど、 東京で俺がたまに行くダイニングバーなんですが、そこ夜はジャズのライブをしていて 」 「 ジャズの? 」 とそれまで外を眺めていた教頭先生がジャズという言葉に興味を持ったようで会話に参加する。 「 ええ、サックス吹くのが上手い彼がいて、その彼に似てるなって 」 その言葉を聞いて、青木さんと先生が顔を見合わせる。 口を開いたのは先生だった。 「 え?名前は?その彼の 」

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