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第72話

a memory from summer no.65 4人で その9 「 ヒロシさんは顔が落ちついてから出てきてくださいよ。真っ赤ですよ。ここも出したほうが落ち着くんじゃないんですか? 」 と笑いながら俺の股間の膨らみを軽くもみこむ。 「 ばか! 」 もう一回強く叩こうと思ったら、 「 それじゃお先に 」 とトイレから出ていってしまった。 俺は仕方なく、半勃ちしたものを収めるためにも用を足しながら、遅くなった言い訳を考えた。 外に出てみると、待っていたのは俊だけで、 「 2人は? 」 と聞くと 「 出口の方に。なんか結構真面目に話していたんで先にいってもらいましたけど、なにかさっきの話と関係あるのかな」 「 さあな、こちらに話す筋合いでもないんだろ 」 教頭先生が何も言わずに先に行ったのが、なぜかがっかりした気分になって出口に向かった。 出口ゲート付近で先に着いていた青木さんと先生に合流し駐車場に向かう。 「 割井くん、運転してみる? 」 キーをポケットから取り出した先生がとつぜん言い出した。 「 良いんですか? 」 「 ああ、この車滅多に乗れないからって、自慢じゃなくて乗ってる知り合い少ないだろ」 「 ええ、いません。自分で買わなきゃなかなか乗れませんね 」 どう?と促されて、俊はキーを受け取り運転席に回る。 「 おいおい、俺にもなかなか運転させないよな〜 」 と軽く不満を言う青木さん。 「 じゃあ、お前、前に乗れよ 」 「 なるほど、そーゆーことね 」 軽く俺にウィンクして助手席に座った。狭い車内、どこに座るかは大きな問題ではないようで、俊はあまりに気にも止めずに後部座席に乗りこんだ俺と先生を確認して車を出した。 暫くすると車は又高速に乗り、俊は時折青木さんと世間話をしながらハンドルを握っている。 豪華なシートのおかげか、意外と安全運転の俊のおかげか眠くなって来た俺が隣を伺うと、教頭先生は爆睡中。 そういえば、研修中一回も寝顔を見てないな。眉目秀麗というよりも、やや強面なその横顔は年相応に深みがあって、普段開いている時には少し茶系の瞳も今は隠されている。 この歳になって肌も引き締まっていて羨ましい、と思いながら見つめていると、 「 菅山、毎晩よくねてなかったんじゃないの? 」 と青木さんの声がした。

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