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第73話

a memory from summer no.66 4人で その10 「 菅山、毎晩よくねてなかったんじゃないの? 」 という青木さんのセリフに、一緒の部屋だったとバラされるかと思いひやっとしたが、 それ以上は青木さんも何も言わなかった。それを知った俊がイラついて事故でも起こすのを避けたのかもしれないけど。助かった。 あの同室のことは帰ってから追求されるだろうから、その時ゆっくりと説明して、と思っているから。 厚木のパーキングで目を覚ました教頭先生と、俊が運転を交代し車はそのまま酷い渋滞もなく都内に入った。 「 三枝先生は家まで送るが割井くんはどこがいい?環八から甲州街道に入るけど荻窪あたりの駅で良いの? 」 「 荻窪か 」 と青木さんがつぶやく。 「 俺、荻窪にしようかな 」 「 え?お前は俺の家まで来るんじゃないのか? 」 「 教頭先生、俺も荻窪で、みんな荻窪だったらそこでいいです 」 先生に俊とともに家の前で車を降りるの見せたくない、見せるのが忍びない俺はそう伝えた。 結局、1人で家まで帰すのはかわいそうだということで青木さんはそのまま同乗し、俺と俊は荻窪で降ろしてもらった。 沈んだ顔の教頭先生にお礼をいい、なにか話しかけようとしたけど、結局伝える言葉もなく、青木さんの、近いうちに4人で打ち上げしような、という元気の良い言葉で別れた。 「 なんで4人で打ち上げなんですかね? 」 「 旅は道連れだったからだろ? 」 と軽く返すと 「 道連れは俺と青木さんですか? 」 と少し嫌味を言って来たので、 「 ホントお邪魔だったよな、2人。 先生とちっとも話せなかった 」 とかえすと、 後ろから 「夜もそんな軽口言えますかね 」 という言葉に忘れていた俊との1週間置いた 夜の営みがどんな激しいものになるかを想像して、ぞくっと来た。

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