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第82話

a memory from summer no.73 心の底 その7 熱い身体が重なり合い、安堵している自分がいる。裸で脚を絡ませ、これでもかと密着する汗まみれの肌に口づけする。 少しずつ覚醒する記憶と気持ちと、 かいなにいだく愛するはず、の歳下の男に満足しながら、言葉をつむぐ。 「 満足した? 」 ふっと笑いながら彼が言う。 「 愛してあげるよ、ベッドの上なら 」 「 ああ、愛してる、お前だけ…… 離さないで 」 「 今だけは信じる、かな」 ベッドの上で、口づけながらこれでもかと上になり下になり愛撫しあう肉体。 下腹部をこすりつけあい、先走りをねっとりと混ぜあう。 あなたの中に挿れるのは、絶頂を迎える最後だけと、延々としつこく身体を溶かしあう。 離れたくない。離したくない男の欲望をどうしたら満足できるのか、答えは出ないまま、淫猥な夜を継続する。汗と全ての液が滴り落ち、2人満足した頃、 ふと聞きたかったことが口から溢れる。 「 どうして、今日だった? 」 「 はぁ、今更そこを? 」 「 今更って、お前、俺をここに呼んだことなかったから… 」 「ここには高校時代の思い出が、俺の子どもの頃の思い出が多すぎて、 ヒロをここに連れてきたら、昔のあの時まで戻りそうな気がしてた 」 「 昔のあの時? 」 「 ああ、ヒロの気持ちと彼女の気持ちと迷っていたあの頃さ、ヒロと吉崎、吉崎さくらがつきあっていると聞いた時に…… 俺はどっちに嫉妬したんだろう 」 「 え? 」 「 結局、あの頃の俺はガキだったんだよ、自分の気持ちさえわからないほどの。 なんで今か?って? ここから始めるためだよ。あの頃からの気持ちをね 」 「 嫉妬した? 」 「 ああ、かなりね、会ってみたら本当にやばいと思った。 あんたは、全く手がかかる恋人だよ 」 俺はその言葉を聞いて猫のように満足し、グルグルと俊の厚い胸に頰を頭を押しつけた。

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