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第85話

打ち上げ騒動 その2 ( 歳上の彼は多情なオトコ ) やはり1年の補講は手こずった。生徒たちの意欲がほとんど感じられずに終わった。中学の内容を繰り返さなくちゃならないかも。よほどひどい顔をしていたのか教員室に戻った俺に 「 三枝先生?どうしましたか? 」 と1年の英語を任されてる中村先生が話しかけられた。実は、と問題を抱えていることを伝えると事情を知っている先生はアドバイスをくれた。 「 2年の数学得意な生徒に少し手伝ってもらったら 」 「 え?生徒たちにですか? 」 「 ええ、歳が近いぶんなにか刺激になるかもしれない。私、生徒のやる気を引き出すというテーマの勉強会に最近入ったのですが、テクニックにそういうのがあって。菅山先生もその会一緒なのでご存知ですよ。相談してみれば 」 「 そうなんですか 」 「 私の名前が聞こえて来たのだけど何かな? 」 と菅山先生が丁度教員室に入ってきた。 「 教頭先生、例の勉強会の話してたんです。三枝先生の1年数学のクラスになんか使えないかなって 」 3人でしばらくその話をした。 菅山先生は色々な研修や勉強会に参加しているらしい。あらかた話が終わった頃、私はこれで、と中村先生が帰っていった。 俺は菅山先生のスッとした男らしい横顔を見ながら、ふとライトの建築の前で語った言葉を思いだす。 貴重な能力を形に……教える、ということに真摯で、深く、強く、やさしい男。 じっと横顔を見つめている俺に、 菅山先生は朝、の話なんだけど苦笑しながら向き合う。 「 青木が打ち上げをやろうとうるさくて、今週あたりどこかでって 」 「 俺は大丈夫です、決めて頂ければ 」 「 そうなんだけど、あの割井君の言ってたダイニングバーはどうかな? 」 行ったことがない俺は、はいどこでも、と頷く。 「 それで、もちろん、割井君も一緒にということで 」 「 え?なんでですか? 」 割井は別に研修で一緒だったわけでもないしわざわざ呼ぶのは嫌だな…… 「 イヤ、青木が行きたがってるのは、色々な事情があってだな 」 「 はぁ 」 「 店のことに詳しい割井君がいてくれる方が何事もスムーズに 」 「 何事も?スムーズ? 」何それ

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