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第87話

打ち上げ騒動 その4 ( 歳上の彼は多情なオトコ ) 俺のうちは3人家族で暮らしている。 県立高校の教師の俺と離婚した妻が連れていた響子。 そして、離婚の原因になった不倫相手でその後再婚した妻の連れ子の杏果。血は繋がっていない3人の家族。 響子と杏果は四つ違いの姉弟になる。 色々多難な俺の人生の中で今は幸せな生活。子どもたち2人も大人の都合で振り回されたのに、3人で結構気が合うせいかうまく楽しく暮らしている。 今朝は久しぶりに朝から3人が揃っているようだ。ここ何週間か撮影会で忙しかった響ちゃんが朝ごはんの支度をしていた。 「 おはよう、 久しぶりだね朝から響ちゃんと顔を合わせるのは 」 「 おはよう〜そうなの、やっとひと段落ついたのよ。ごめんね、朝のご飯できなくって 」 「 とんでもない、できる人がやればいいんだから、ところで朝から杏果は何をバタバタしているの? 」 「 あは、ヒロシさんにも聞こえてた? あの子、今日おデートで水着を探してたのよ 」 「 デート?杏果が? 」 「 はは、驚くよね〜でも安心して、相手は男の子だから」 え? 響ちゃんは手際よく朝の献立をテーブルに並べながらこともなく言う。 「 渋谷君と? 」 知っている幼なじみの名前を言ってみる。 「 栄亮?ううん、安藤君とよ 」 テーブルには 炊きたてのツヤツヤした白米と なめこの味噌汁。大根おろしを添えた桜エビ入りの玉子焼きに獅子唐のじゃこ炒め。そして漬物はキムチ。 俺の好きなものばかりが並んでいる。 頂きます!をして箸をとる。 安藤君、アンドウ…… ああ、前に酔った杏果を送ってきてくれた青年が確かそんな名前だったと思いだした。 1番好物の獅子唐を一口食べて 「 美味いな、獅子唐新しいね 」 「 そうなの、朝ごみ出ししてたら隣の和田さんに *沢山採れたからっていただいたのよ 」 「 響ちゃんは夏休みはいつからなの?旅行とかは? 」 「 仕事が溜まってるし、人足りないし、とびとびに休みとるからちょっと無理かも 」 そう言えばまだ響ちゃんに旅行のことを伝えてなかったなと気がついた。 「 俺たちは8月にシンガポール行ってくるよ 」 「 うん、彼氏とでしょ 」 え! *杉並の住宅地にはまだ農地が残っていて、自己用に栽培している人もいます。

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