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第98話
打ち上げ騒動 その14
( 歳上の彼は多情なオトコ )
手の甲を指でひっかかれ、指先から指の間をくすぐり指の股から伏せられた手の平に潜り込む指を、握ろうとするとはぐらかされる。
心地よい演奏を耳を預けウイスキーで舌を潤しながら俊と夢中になって指遊びをしていると、だんだんと下腹部が熱くなってくる。
まずいな、と思いながらそれでも指から伝わる物足りなさは、しっかりと首筋、うなじ、乳首を震えさせ、
とがった背筋を撫でて、じんわりと重い快感を下腹部に伝播する。
暗いテーブルの下で、勃ち上がりそうなものを鎮めるために何度も脚を組み替える。
俺の動きを横で見ている、とうの本人は涼しい顔で耳元に口を寄せて囁く。
「 トイレですか?我慢できない? 」
「 バカ 」
青木さんはステージを見つめたまま、一言も喋らないし、菅山先生は、
あれ?いない。
見回すと俺たちの後ろを通りかかった姿勢のままで、仄暗いテーブルの上をじっと見ている。
え?俺たちの手、見えてる?
俺は慌てて俊の手を跳ね除けた。
軽く咳払いした先生はそのままテーブルから離れて言った。
「 見られたかな? 」
と俊が笑いながら軽く言うので、わざとやったなと思った俺は思いっきり俊の脚を踏みつけた。
「 いっつー 」
と声を振るわせているけど、そんなこと知るか。
ちょうど演奏も終わったところだった。一息ついて、4人のグラスが空に近いのを見た俺は飲み物のオーダーするために軽く手をあげる。
スタッフが来たので、それぞれのオーダーを聞いてもらう。菅山先生の分は青木さんが勝手に頼んだようだ。
俺の分は俊に次は強めのをリクエストしたら、仕方ないとばかりに
「 じゃあ、バーボンで頼みますから 」
とオールドファションドと、自分用にはラフロイグのロアをロックでと注文していた。
酒に疎い俺にはさっぱりわからない。
後の3人はウイスキーにも造詣があるらしくてなんとなく面白くない。
ちょっと膨れたのがわかった俊に又笑われた。
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