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第99話

打ち上げ騒動 その15 ( 歳上の彼は多情なオトコ ) 演奏始まってからもう1時間ほどはジャスの夜を楽しんでる、アルコールも身体に充分に回ってる。 Fly me to the moon 俺にもわかる曲の紹介、ひときわ大きな拍手と口笛はお客の方もかなりお酒が回ってきたんだろうな。 愉快な気持ちでそんな様子を感じながら、演奏近いけど緊張してるかな?と菅山先生を見やると、いい笑顔でリラックスしてる様子。 「 先生、余裕ですね 」 と声をかけると、 「 こいつステージで緊張したことないらしいからな 」 演奏が始まってから始めて会話らしい会話をした青木さん。 サックスとトランペット、ドラムの軽い掛け合いで始まり、のびのびと広がる音にやがて周りは静かになる。 サックスとトランペットのソロがそれぞれ流れ、ピアノの間奏の後拍手が軽く起こりサックスとトランペットの音が交差する。 これぞセッションとしめて曲を終わらせたステージのミュージシャンはとても良い笑顔だった。 「 ありがとうございました、 今宵の皆さんはノリが良くて、好きです」 客席から大きな笑い声が起きる。 「それではノリの良い皆さん、お待ちかねのミスター菅山のドラム! みなさん盛大な拍手でお迎えください! 」 紹介されると、拍手の中立ち上がっていとも自然にステージに向かう菅山先生。 なんかいいな…… ステージ上ミュージシャン達と握手しながら、最後にドラムの人と軽くハグをして交代する。 なんでこんなに板についてる? 隣の俊も口笛を吹いた。 「 なんかイカした、オヤジジャズマンですね」 と余計な一言は付けていた。 「 ライブ最後、皆さんも良くご存知だと思います、スタンダードナンバー all the things you are 君の全ては僕のもの、この邦題は僕のアレンジです 」 さざ波のように起こる笑い声と共に 始まる。ジュンヤさんのサックスがノリの良いリズムを刻みながら、メロディーが流れてくる。定番と愛されるのがわかる曲。 ジュンヤさんの軽快な唱いあげるような演奏の合間、ビートの効いたドラムソロ。抑えてながらもリズムをきっちり捉えるスティック。 凄い!先生 俊も青木さんも俺も、拍手を送る。 「 見せつけてるな~ 」 と笑いながら、青木さんもやっと笑顔が戻ったようだ。

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