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第102話

打ち上げ騒動 その18 ( 歳上の彼は多情なオトコ ) 「 ああ、あの時の……空港で 」 「 青木の代わりにアメリカにたつ香織さんと君を見送りに行った時だったな 」 「 菅山……」 と青木さんが話を遮ったところで マルガリータがきた 5脚テーブルの上に置かれたシャンパングラス。テーブルライトでキラキラひかるソルトの結晶。 「 じゃぁ、ジュンヤ君との再会と出会いにカンパイ 」 菅山先生が発声し軽くグラスをあげる。 「 マルガリータは俺の母が好きだったんです 」 「 香織さんが?日本にいた頃はワインばっかり飲んでたのにね 」 「 あっちへ行ってから、父と出かけるバーで飲むようになったみたいです。家でもよく父に作らせてましたから 」 と軽く笑いながら菅山先生と会話を進めるジュンヤさん。 「3年前に身体の調子を崩してからはお酒は飲んでません。かわいそうに父もそれに律儀に付き合って、2人でノンアルの生活してます 」 フフと思い出したように微笑むジュンヤさんはとてもいいスッキリとした顔をしていた。 「 ジュンヤ君はいつ日本に? 」 と俊が尋ねると、 「 2年前にこの店ができるときに帰ってきました 」 「 権藤さんは、日本にみえることはあるのか? 」 権藤さんて?誰? 青木さんの口から唐突に出た言葉に 後の4人、いや3人はなに?という顔になる。 ジュンヤさんだけが落ち着いて応える。 「 はい、日本に進出した時には1ヶ月にいっぺんは来日してましたけど、今は展開してるカフェが落ち着いていますから1年にいっぺんくらいですね 」 「 権藤さん?ジュンヤ君の? 」 「 はい僕の父です。青木さんと離婚した母の再婚した相手です 」 なるほどとうなずく俊と俺。 「 そうか、俺が宜しく伝える立場じゃないが、活躍されているなら良かったよ 」 「 そうですね、僕も不肖の息子ですが、なんとか父の手伝いをしています。サックスが自由に吹けるのも父のおかげですから 」 にっこり笑いながら青木さんに伝えるジュンヤさんの声が尖ったような気がした。

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