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第113話

シンガポール ハイ 9 出る前に軽くシャワーをと寝室に戻る。浴室に入るとそこは陽が散々と差し込んで、淡いパールの色合いの大判のタイルがキラキラと光る美しいバスルームだった。 「 外のデッキに出られるんだ 」 窓面がオールガラス貼りの浴室から外のガーデンデッキに出てみる。 真ん中には大きな丸いジャグジー、そしてデッキの最先端にシャワーのカランが見えた。270度海を見下ろしながら浴びるシャワー。 横の部屋から俊と朝霞さんも出てきた。 「 え?繋がっているの? 」 と杏果が嬉しそうに聞いている。 「 このスカイデッキのジャグジーとシャワーはどの部屋からも使えるようになってる 」 へえ俊、よく知ってるんだなと思いつつ俊を見ると、 「 時間も節約したいし、みんなでここで浴びますか? 」 ジャグジーには用意よくお湯も張ってあるようだ。 朝霞さんが 「 良いですね、杏果ちゃん一緒に入ろう 」 「 うん! 」 とその場で着ていたTシャツとショートパンツを脱ぎ始める。朝霞さんもさっさと脱いで全裸になると恥ずかしげもなく前を隠すわけでもなく、楽しそうな杏果の手を取りジャグジーに2人で浸かった。 呆気にとられてる俺に俊は、 「 どうします?俺はヒロシさんの裸は人には見せたくないけど 」 「 今、一緒に入るかって言ったじゃないか 」 と少し膨れて答えると、 「 わざとです。ああ言えば朝霞は楽しそうな杏果君を誘ってこっちで入るに決まってる 」 軽く笑いながらそう返してくる俊。 この詐欺師め と軽く睨み付けると、 「 そういう顔がたまんないのがわかんない? 」 と言いながら俺を自分の部屋のバスルームへと引っ張って行く。 俊の使っている所は青で統一され深い水の中を思わせるバスルームになっていた。 旅に出て少し素直な気持ちになっていた俺と俊はお互いを脱がせ合いせわしなくキスをし合う。 休日なのに、なんで、こんなに、と、囁きながらシャワーのコックを開く。天井に仕込まれたシャワーの雨が降りそそぐ。冷たかった水は俺たちの抱擁とキスとで暖かいお湯に変わった。 目に口に入るお湯も甘く、舌でお互いの口の中を嬲るようにすするように交わす口づけが、頭の先から足の先までチリチリと興奮で満たしていく。 後の二人が外にいるのも気にならないほどお互いの唇に肌に熱中した。

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