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第115話
シンガポール ハイ 12
「 チキンライスのソースは
上から、ブラックソイソース。
少し甘いトロッとした醤油のソース。
次がジンジャーソース。
あっさりとした生姜のソースです。
最後はチリソース。
唐辛子とニンニクのピリ辛ソース
です」
朝霞さんが丁寧に説明してくれた。
杏果はソースの説明を聞きながら箸に取ったチキンをウロウロさせている。
「 落ち着け、杏果迷い箸だぞ 」
と笑いながら言うと
「 美味しそう、どうしよう何つけよう 」
とかえってチキンがソースの上で泳ぎだした。
一口チキンをジンジャーソースにつけて口に入れると、柔らかくジューシーで鳥特有のクセが全くない。
「 ご飯は鳥の茹で汁で炊いてるはずですよ、タイ米だから香りがありますよね 」
ご飯もあっさりと上品な味付けで美味しい。
「 美味いな 」
と言いながら別のソースも試してみる。醤油のソースは少し甘さが勝ってる感じ、付け合わせの野菜と一緒に食べるとちょうど良いかも。
チリソースはかなり辛いが、旨味がしっかりしてるので、これを食べながらビールが進む。
「 杏果ちゃん、どう?なんのソースが美味い? 」
黙々と食べてる杏果に朝霞さんが話しかける。
口いっぱいご飯が入ってるからか、ジンジャーソースを指差して○を付けてる。口元についた米粒まで朝霞さんが取ってやってる。
朝霞さんはもう杏果かしか目に入らないんじゃないか?
俊に
「 大丈夫? 」
と小声で聴くと、
「 後ででっかい釘をもう一本叩き込みますから 」
と不気味なことを言ってよこした。
honoluluより
本日の記事の方に
シンガポールチキンライスの画像
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