118 / 207

第119話

シンガポール ハイ 16 パタンと僅かにドアの向こうで音がした。 杏果の笑い声が廊下からかすかに聞こえて、やがてまた静かになる。 うつ伏せてさらされた臀部の谷間から、深く探る濡れた舌の立てる音が聞こえそうな程、静かな室内。 尾てい骨から震えるほど興奮の鎖が、 下腹に背骨に、胸に咲いてる過敏な粒にまで、その快感を伝える。 くぐもった自分の声が静かな部屋に充満する。 薄く開けた唇から漏れる喘ぎと糸を引くように垂れる唾液がシーツの上で溶け合う。 尻たぶをぐっと掴まれて太ももを割るように開かれる。 俊の唾液が孔の下の睾丸までまみれて、そのまま唾液ごと室内のエアコンの温度で、 重く垂れた睾丸は冷やされる。 湧いてきたむず痒さを腰をさざめかせて逃す俺に、俊は両方の親指を充分に拡げたアナルに押し込んだ。 親指を根元まで押し込んだまま、怒張しきった男根をその真ん中にねじり込む。 「 あ、きつい、あ、あん 」 中途半端な溢路でそれを止めたまま、背後から乳首の尖をサワサワと転がすと、 「 感じる?このとんがって好きものな乳首、捩じ切ってやろうか 」 俊のサドっぽいもの言いに、更に下腹が重たく震える。 俊の亀頭の一番張った場所が狭い腸路を目一杯拡げてるその男根を腸壁がしゃぶるように動き始める。 「 うっ 」 と呻き声をあげる俊。 「 くそぅ 」と小さく呟くとオレの太ももを払い更に開かせると、一気に前立腺を叩きながらその奥を、犯してくる。 敏感になって悲鳴をあげる快感の壺を猛った竿でかき混ぜ、重量感のある睾丸で会陰を叩く。 無音で嗚咽をあげる俺の口にも指を入れ舌を揉み込む。下の付け根まで奪われて、上も下も孔という孔を全て支配され、 「 よそ見するなよ、ヒロ、するなら ……」 とうなじに歯を立て噛みつかれる。 さらにそこに唇を押しつけられ、強く吸われた。 血が出てるのかもしれない、でも、俊の方を振り向いて、 その血の味のするキスをねだった。

ともだちにシェアしよう!