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第122話
シンガポール ハイ 19
「 杏果、どうしたんだ?朝霞さんは? 」
「 ヒロシさん、こちらはボブさん、仲良くなったんだ 」
なんだこの展開は?
「 朝霞さんなら泳いでるよ 」
ボブさんとやらがプールスタッフを呼んでオレのタオルを貰ってくれている。ここに座れとばかりに杏果の横のデッキチェアにそれをかけると、
「 ハジメマシテ、ワタシ、
ロバート。ロバート・ハント デス
イギリスジン デスヨ 」
と自己紹介があった。
「 ボブさん、こちらは僕のお父さん、ヒロシさんです 」
「 オトウサン? ファーザー?
オオ、ミエナイ 」
なんかマンガみたいな会話だけど仕方がないので、
「 私は彼の父親で、三枝ヒロシと言います 」
と名乗った。
「 オオ、ヒロシ サンネ‼︎ ヨロシクオネガイシマス 」
といちいちオーバーなボブが握手と大きな金色の毛だらけの手を差し出してくる。
これも仕方なしによろしくどうぞと軽く握手した。
「朝霞さん、泳いでいるって? 」
さっきはあんな剣幕で俺たちの間に割って入った朝霞さんが杏果とボブをほっといて泳いでいるのが解せない。
まだまだ不審な顔を崩せない俺が杏果に聞くと、
「 うん、ボブさんのパートナーが泳げないから少しずつトレーニングするんだって、ね〜」
パートナー?トレーニング?
「 ソウソウ、スイムトレーニング 」
更に首を傾げる俺に親切にメニューを渡しながら、
「 ヒロシサン、ノミモノタノマナイ?
シンガポールスリング、ベリーナイス! 」
「 ホント、最高に美味しい‼︎ 」
とほんのり頬っぺたを朱くしてグラスを掲げる杏果に、
「 飲みすぎない! 」
と教師らしく小言を食わせた俺も、結局は自分のボブさんに押しきられた。
そして、美味しいシンガポールスリングをデッキチェアに寝そべりながら優雅に頂いている。
honoluluより、
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プールの参加画像と
シンガポールスリング載せます!
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