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第125話
シンガポール ハイ 22
プールから上がり反対側のジャグジーに温まりに行く。
「 温泉みたいだね 」
と喜ぶ杏果に、
「 水着脱いじゃおっか 」
とかまう朝霞さん。杏果は
「 朝霞さんがエッチだ! 」
と言いながら犬のように戯れている。
「 ボブさん達はもう上がったんだね 」
と入港待ちの沢山の船舶を眺めながら、のんびりとした気分で俊には教えるつもりのなかった言葉がでる。
「 ボブさん達って、誰ですか? 」
と俊が不審そうに尋ねるので、
仕方なしに俊が居ない間の話をすると、
(もちろん水着のファスナーが開いてた事は内緒で)
「 なるべく近づかないでくださいね 、朝霞にも変な縁を作るなって釘さしとかなきゃ」
と言いながら思いっきり嫌な顔をされた。
朝霞さん、一体何本釘を刺されるのか。自分の頼んだ事は棚に上げて朝霞さんに少し同情する。
夕飯は海鮮料理に行くらしい。
部屋で軽くシャワー浴びて、
ホテルからタクシーでクラークキー駅の方面に向かう。
日本語名で紅い家というその店はリバーサイドの名の通り川沿いにある。
小さなロータリーでタクシーを降りると川沿いの石畳の道をのんびりと歩く。夕方の生暖かい風もタクシーで冷やされた肌には気持ちがいい。
着いたレストランはオープンエアの開放的な空間で、日が暮れてからの店内はまだそんなに混み合っていなかった。
「 これから混みますよ 」
という俊の言葉の通り、
大きな回転テーブルの中華式のテーブルについた途端、続々とお客が入ってくる。
「 良かった〜〜タッチの差でしたね 」
と言いながら朝霞さんが紅いメニューを配る。その写真の迫力に杏果の眼は点になっている。
「 チリクラブだな、それと 」
「 これ? 」
大きなロブスターの写真に目が釘付けになっている杏果に朝霞さんが笑いながら声をかける。
俊が次々と値段の交渉しながらオーダーをしていく。
「 何飲みます? 」
「 ビール! 」
とあと3人が軽快に答えた、
賑やかな店内に沢山の人達が賑やかに集まり、その間をゆったりと店員が歩く。
honoluluーーーーーー
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