145 / 207

第146話

シンガポール ハイ 43 「 ぼくたち、家族旅行したことないよね、ヒロシさん出かけるの好きじゃなかったから 」 昔のとんでもないことを暴露された。 「 最近でも一緒に出かけるのはお墓まいりくらいだもんね 」 「 何がだもんね、だ 」 思わず杏果の頭を軽く叩くと 朝霞さんが真面目な顔をして、 「 暴力はいけません 」 とのたまわった。 どこまで杏果バカなの?この人は。 「 智之さん、ヒロシさんに頭を叩かれるのも初めてだよ 」 「 そうなんだ!初もんか、初回限定で大目にみるか 」 聞いた杏果がまた笑い転げる。 随分と、この旅の仲間たちは仲良くなったようだ。 「 俊、ありがとう、誘ってくれなかったらここまでは来なかった。 言われたら杏果とは旅行したのが初めてかも知れないし 」 「 俺とも、そうでしょ? 」 「 初回限定だらけですね!まだ明日もありますから、どんどん飲みましょう 」 意味不明なことをを朝霞さんが言い出す。 話題を集めて、笑って、食べて、呑んでなんとも楽しい夜は更けていく。 明日はもう、アンドレイとあの2人の女性には会いたくないな、 心の隅でそんな小さなことを思いながら。 ーーーーーーーーーーーーーーーー シンガポール ハイ 読んでいただきありがとうございました。 お知らせです。 新作 ‪Jaz Night eve ‬ クリスマスイブまでの9日間 16日 18日 21日 イブの日の 4回。20代男性どうし恋のお話を 16日夜 エブリスタさんで第1話目アップいたしました。 私にしては最後少しひねります。 ジャズのクリスマスナンバーと共に…って‪w音声は乗せられないので、曲名でググってくださいませ。‬

ともだちにシェアしよう!