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第10話

優しい口付けが暫く続いた。 「首…噛んでも良いですよ」 口付けされた直後に誉が呟く様に言った。 首の咬み傷は従属の証だ。 誉の言葉に幸人は目を見開いた。 子供同士のマウントの取り合いだとαがαの首を咬み、ヒエラルキーを作る事も有ったが、それは屈辱でしかない行為だった為、本人より親同士の社会的抗争に発展しかねない状況になり、αの子供が最初にやってはいけない行為と学んでいた。 Ωの首には噛みついても法規制もないのに、αがαの首に噛み付くのになんで教師がうるさく言うのか、当時の幸人には理解出来なかったのを思い出した。 「何、考えてるんだ?」 時々丁寧語を忘れる誉。怒ってる証拠だ。 「僕は、すごく大切にされて行くんだろう  なぁと思ったの」 色々な考えが頭を過ぎり自嘲気味の笑みが出たかもしれないが、そう思ったのは本当の事だ。 「当然だ。俺は絶対に仕事でも幸人さんを認め  させる。何一つ後悔なんてさせない」 αならではのもの言いとも取れるそれだったが、幸人の心はまた一つ温かさを覚える。 きっとこの子とはお互い高め合えるパートーになれるに違いない。こんな事を考える余裕が有ったのはここまでだった。 誉は柔らかくなって来た幸人の後孔と硬くなってきた蟻の門渡りを刺激する。 ペニスが硬くなって来た証拠だが、そこには触れず、門渡りをやわやわと挟む様に刺激してやる。ここは神経が集中しているところで、そもそも男なら勃起すれば必然的に硬くもなる場所だ。 「ふっ、あ…あっ」 誉は息が上がる幸人の上唇を吸いあげ、舌先で唇を突く。その唇は戸惑いながらもそろり口を開け応える様に小さな舌先を出し可愛い反応を見せる。 この体がSEXに拙い事がよく分かる。 誉は幸人の舌先をそのまま絡めとり、深く深く口内を犯し唾液どころか息すら逃さないと飲み込む激しいキスをする。 キス自体慣れていないのか幸人の舌が口奥に逃げようと縮こまるとそれを許すまいと誉の舌が追いかけ絡めとりまた吸いあげる。 どんどん幸人の息が上がり、舌が痺れ飲みきれない唾液が口の端から流れ落ち顎を伝い始めた頃、漸く唇を離す。 幸人の瞳は涙の幕が張り、可愛く潤んでいた。 愛おしくて仕方ない。 両手で宝物を扱うよりもそっと丁寧にその頬を包み込むと顎を伝う唾液を舐め上げちゅっちゅっと口の端、下唇、そして鼻先にキスを落とした。 「理屈じゃなく、愛してる」 「僕も、君が欲しくて仕方ないよ」 だから、もう───君のものにして。 「はぁ、はぁあ…んっ、ひゃっ」 僕の体はそもそも男を受け入れる事が出来る体だ。それにもう何度もそこに雄の証を出し入れされて来た。 「ほら…もっと良い声、聞かせて?」 首を振って腹奥を突く衝撃をやり過ごそうとするけど、甘いその刺激は僕を侵食していく。 ────深い… 「ほら、痛くないだろ?」 「だ、め…く、る…しい」 「それだけ?」 尻を串刺しにされる状態で持ち上げられ目の前には僕の雄がだらし無くカウパーを垂れ流し揺れていた。 誉くんの雄々しいそれはゆっくり抜かれたかと思ったら焦れる程ゆっくり僕の最奥まで押し入る。 本来ヒートの際に子宮が降りいるその入口は今は無く、更に今はそこよりも奥に亀頭が侵入してクポクポと我が物顔で入り込んでいた。 少しずつ押し開いては蟻の門渡を刺激する。 直接的刺激じゃなくてもそこはペニスの一部が埋没してる場所、感じないわけがない。 ぞわぞわともう何度も快感が湧き起こりその度に甘イキしていた。 門渡を挟み込む様に捕まれ揺すられる 「あっあぁ、そこッ、ダぁあ…ああっ」 僕はシーツをキツく掴み、身動きできない体制で体を震わせた。 「可愛い…ちゃんとドライで逝けましたね。  ここ押されて気持ち良くなっちゃいました  か?  でも、次はココ(この奥)で感じて…俺のでイッて  ください」 誉くんは僕の腹を僕が垂れ流したカウパーを塗り込む様に撫で上げる。 僕はその刺激に甘イキしてしまう。 「あ、やっ」 「ほら、うつ伏せて。こちらの方が腰に負担が  ないだろ?」 彼の優しい気遣いに感謝するより誉くんがいなくなった後孔が切ない事に不満を感じる。 僕は大人しく這うと、お尻を大きく突き出した。 「は…良い子。スッゲェくる。可愛い。  尻突き出すだけじゃなくケツ穴上向きにして  偉いなぁ…すっごい唆られるよ」 誉くんのセクシーな吐息に肌が粟めき立つ。 腰にチュッとバードキスをされただけで腰が砕けるかと思った。 その後、ゆっくり誉くんが僕の中に入ってくるのが分かり僕はお腹を締めて自分をこれから更に犯すモノに媚びる。 「ん…あ"っ、あ"っ、そこ、奥っ、も…はいらな」 やっぱり、深い──。 今までそんな所まで迎え入れた事はない。 先程以上にこの体勢は彼を深く迎え入れてしまう。 誉くんは僕を背後から包む様に押さえ込み、その凶器の様な剛直なモノで僕の最奥を更に押し開こうとする。 震える僕の体を抱きしめ、馴染むまで僕の頸を舐め上げ吸い付きやわやわと甘噛みして落ち着くのを待ってはグポグホ突いた。 馴染み始めると僕の膣は浅ましく誉くんを締め上げ、その形を確かめる様に蠢きその甘い疼きに内腿がカタカタと震える。 「ふっ…あっ、ピクピクしないでぇ」 「そんな無茶な…気持ち良いですか?」 うんうんと首を振る。 「ねぇ、俺の…ここまで挿れていい?」 へ…? 「ノットまで入れたい」 少し余裕なさげな声でお強請りされる 「ウソ…まだ…はい、って、ない…の?」 「ああ、ほら。手…分かる? こんだけ、  まだ…入る」 そこには硬くそそり立つ芯の周りに柔らかい瘤があった…僕の拳骨分くらいある? それはΩを確実に孕ませる為にアルファの長い射精中、精子が漏れたりペニスが抜けないようにする為の栓の役割を果たすコブ。 「そ、んな大きなの、無り…っ」 「ガキが出て来る所だから無理じゃねぇよ  ほら、俺の気持ち良いだろ?  根本迄入れて射精したい…」 明らかに不満気な声をあげ、ぐちゅりと僕の良い所を抉る。 「ひゃっ。んっ、だ…だって、今子宮…  ないっ、も…はい ら…ないっからぁあっ」 抽送が激しくなり、最奥にゴツゴツ当たる 誉くんだって分かってるはずなのに 許して貰えず、すっとこの調子で犯され続けている。 快楽も過ぎれば拷問になる。 「ぁんっ…ひゃあ。まだ、動かない…でっ、  ぁ" あっ 怖いっ!」 「しー。大丈夫だから…ここに入れてよ。  S状結腸…もう開いて来てるから」 暴れそうになる体は誉くんに抱き締められたままで動けず、腰に回された腕にホールドされた体はグポッグポッと誉くんの先端に吸い付いているのがわかる。 先程まで感じていた違和感は無くなり誉くんに縋り付く様に畝る体はふわふわと気持ち、いい───… 「っひぃ!」 「今、落ちかけただろ」 「やぁ、やっ、お腹…押さないでっ、キツいっ  気持ち良すぎて、死んじゃうからぁ!」 良い所を擦り上げられながら慣れない最奥を犯され、それでもやめてとは言わない。 「死なない。やめたいの?」 「ゃあ…だめ…もっと、もう 少し、  このまま…誉くんの形を、ちゃ んと  覚え…るからっ。だから…待って?  っ?!あああ゛あ゛───っ」 僕の中で焼ける様に熱く剛直なソレはゆるゆる柔らかな動きをやめ激しく抽送し始めた。 僕の膣はますますしがみ付くように彼を締め上げ、本当に彼を覚え混む様かの様に絡みつく。彼のドクドクと浮き出す血管まで感じとり、あられもない声をあげ、快楽を逃す様に首を振る。 「だーめ、もう逃がさない。  俺、ホント…あなたに出会えて良かった…」 あまりの快楽に逃げる腰を引き戻される。 「幸人さん、天然も過ぎると強かかと思われ  ますよ」 「ひゃっ、また大きくっ!むりっ、もう入ら  ないっ!!  そこ、奥っ!も入らないからっ、許してっ  あっ、あん、あっ んっ  いっ、ゃあっ、僕のか らだっ、変になりゅっ  ぅあッ、あ、あっ、なんか来るぉっ、  なんか、きちゃ───」 プシャッと僕の先端から白濁じゃ無いものが飛び出した。 「ゃっ!見ないでっ、見ないで──っ!」 ベッドの中で粗相をしてしまい思わず泣いてしまう 彼は僕の先端に親指を這わせ窪みから残液を絡め取るとぺろっと舐めたのが分かった。 「ダメッ!汚いっ」 僕は咄嗟に振り返ろうとして、刺さったままの半身が言う事を効かずベッドに沈む。 「なんで?上手に行けた証拠だろ?  俺の咥え込んでお尻で気持ち良くなって  ザーメンじゃなく潮吹くなんて可愛いすぎ」 誉くんは僕の背中にチュッとキスを落とすと抽送を再開した。 「ま、待って!イったばかりだからっ」 「だーめ。俺がまだですから、休ませないよ。  それとも水嶋主任はこういう時待ったの?」 「そん な、あ…あんっ、あっ」 なんで、一々晴翔の名前出すの? 僕は今こんなにも誉くんに翻弄されてるのに。 「もう一度、可愛く潮 吹いたら、あとは  何回でも、後ろだけで 逝かせて やるからっ  なぁ、見せて。俺ので気持ち良くなって  垂れ流すところ、ここ馬鹿になって  精液垂れ流すとこでも…いいやっ」 グポッグポッという音と共に衝撃が増す。 「ぁ───幸人さんの中、サイコー…もっと  奥、俺を入れてよ?」 「ひぃっ、痛いっ。だめっ そこは…だっ」 「しー。否定の言葉は聞きたくない。  幸人さんは誰のもの?」 「…ほ、誉くんの…もの」 「良い子。大丈夫…苦しくない。良いって  言って?俺の気持ち良いって言って?」 理不尽なもの言い。 でも、優しい声に従いたくなる。 「気持ち…良い」 「ん…良い子だな。じゃあ、この可愛く  潤んだ瞳も、可愛く喘ぐ唇も、この必死に  俺を咥え込んで離さない体も俺のものだよ  な?」 僕の頭はイったばかりで過敏になって、与えられる痛いくらいの快感に悲鳴をあげる体より、誉くんの言葉に陶酔し、自ら腰を掲げて枕にしがみ付く。 「あー、なんて良い子。すんげぇ、可愛い。  わかる?奥、さっきより開いてきたよ?  ほら、上手に俺を迎え入れて?  ぁー、マジいい。俺の全部受け入れた奴  いないからさぁ」 「え?」 「ノックまで入れた事ない。はぁ…もう  ちょいで入りそうなんだけど、なぁっ…と。  子宮と違って、あんま…無理に突っ込め  ないしなぁ…って、ハァ、痛って…締め すぎ」 初めてって言った?…誉くんの初めて──? 「あ゛ぁあ…んっ、入れ て…入れてよ。  僕の一番奥にっ!誰も入った事、ない とこ  ろ にっ誉くんがほしぃ──」 体を抱き合う様に返され、衝撃に息を呑む。 それでも止まらない腰の動き、ガンガンと奥にぶつかる衝撃から逃げるんじゃなくて、受け止める為に誉くんの腰に足を絡める。 誉くんは少し力を緩めS状結腸手前で精嚢を刺激してきた。あまりの快感に射精したくてそれしか考えることが出来なくなりそうで、僕は自分の根元を押さえると自分の最奥に意識を持っていく。 お腹に力を入れると押し開くように誉くんの雄々しいモノが僕の中を楽しむ様に最奥にむかいグボッグボッと聞き慣れない音を立て始めた。それでも抽送を繰り返す。 もう怖くない…寧ろ、気持ちぃ─── 「こら、良い子にしてたと思ったら…自分で  しごくなよ。行くなら俺の与えてる快楽  だけでイケよ?」 乳首が乳輪ごと噛みつかれ、歯が皮膚を扱き、舌先が乳首を刺激する。 痛みより快感が全身を駆け巡る ダメ…っ、頭が──とけ…る。 「俺が欲しいってもっともっと全身で  強請れよ──幸人?いい顔…だっ」 ──────っ!? 「あ゛あ゛あ゛──っ!あぐぅ、い゛…」 ゴボッという音と共に体の奥にもの凄い衝撃がはしった。 「──ハァ、すっげ…全部入ったよ…チュッ」 額に張り付く髪を払う様に頭を振る誉くんがカッコいい…飛び散る汗も… 「大丈夫か?」 伸ばした手をしっかり握り返して貰って幸せな気持ちになる。 僕は頭がポーッとして何も考えられないでいるとこのまま手を引き上げられ抱き締められられた。 「ぁぐぅ…っ」 「あぁ、すっげー幸せ。」   僕は誉くんに体を預け、顔をあげる気力さえない。 串刺しってこんな気分なのかな…喉の奥から何か出て来そうな位苦しいのに、誉くんの幸せそうな声にそんなの全部忘れて受け入れてしまう。 気持ちいいと脳が全てを変換していく。 「───っ!あ…♡ ああぁ゛っ♡」 「ぁー、雌イキ上手。もう6回目?7回か?  俺も、イキそ♡」 「イッ…て。も…誉くん、もう…イッてぇ」 舌を突き出し全身震わせ何度目かのドライに体は限界を迎えていた。 「幸人さん、俺の精子欲しいの?」 誉くんはゴムを付けて無かった。 最初から僕の中に放つつもりだったんだ。 マナー違反と言いたいけど、もうそんな事はどうでもよかった…ううん、本当は僕も僕の中に誉くんの匂いを残して欲しかったんだ。 うんうん頷く僕に誉くんが満足そうに笑みを浮かべてだらし無く出ている舌を吸いあげる。 腰が震えて又、()く。 背をそらせ後ろに倒れそうになった背を抱きとめる様にそのままベッドに倒す。 「ほら、この可愛い口で言って…チュッ」

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