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嫁入り13
◆
白いを超えて真っ青な表情でユーリィが待っていた。
隊に新たに入ってきていた新人を思い出してレオニードは思わず表情が緩む。
大体はちびって禄でもないことになるのだが、ユーリィの状況は少し違っていた。
半分涙目になって「ご無事でなによりです。」とユーリィは言った。
それで、ああ、それほど心配かけたのだと気が付けた。
今の今まできちんと気が付けていなかったのだ。
このままでは駄目だとレオニードは強く思った。
「剣が欲しいな。」
こういう時はいつも鍛錬ばかりしていた。
今だけ何も考えないで体を動かしたかった。
「棒でもお探ししましょうか?」
「いや、大丈夫。今日は早めに休もう。
ユーリィも早めに寝るように。」
「はい。」
涙目のままユーリィは笑顔を浮かべた。
レオニードはこの時あまりにも何も持っていなかった。
だから失敗したのだ。この子をこの場所から助け出すことができなかった。
せめてこの場所での安全くらい手に入れてやりたかった。
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