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王の責任1
翌日から、複数の人間がレオニードにこの国のことやそれ以外の事を教えるようになった。
一目みてはレオニードの容姿に酷く落胆した様子の“先生”達を見て、これが普通の反応なのだと改めて思う。
美姫が多いと評判の国の王族。と聞いて想像していたのとあまりにも違って落胆するのが普通だ。
美しさを求めて婚姻関係を結んだはずの旦那様は、最初はまるでレオニードに興味がなさそうだった。
それなのに突然こうやって教師を手配することに、なにか意味があるようには到底思えない。
しかも、身の回りの世話をする人間も数人手配されていた。
さすがに、着替えまで手伝われそうになってレオニードはなるべく丁寧に断る。
けれど、それが王族として普通の事だと言われても、少なくともレオニードにとっての普通ではなかったのだ。
暴虐王もこんな生活をしているのだろうか。
考えて、やめる。
彼を基準に物事を考えても仕方がないと思ったのだ。
暴虐王ならどうするのかなんていう基準は考えるだけ無駄だ。
レオニードは仕方がなく、首からのびる紐を引っ張る。
紐の先についていたのは小さな宝石の様な石だった。
「これは、我が王族に伝わる守り石です。
この石を他人に触れられる訳にはいかないので。」
この石は昔話に出てくる位有名なものだ。
目の前でレオニードの服を脱がせようとしていた男は別の人間と目配せをして、それから手を離した。
「この件は大臣にご報告いたします。」
大臣に報告するということの意味もよくわからないまま、レオニードはようやく開放されるのかと安堵した。
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