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名前7

「その顔……、あははは。」 思わず声を上げて笑うレオニードに、劉祜が微笑む。 「じゃあ、お妃サマとしてありがたくいただきます。」 ひとしきり笑った後、レオニードが言った。 「ああ、婚姻の誓いとして受け取って欲しい。」 劉祜はまじめな顔で言った。 この人は本気で自分と婚姻する気持ちなのだと少しばかりレオニードは驚いた。 「何も誓えはしないけれど、レオニードとその民の命はできる限り尊重しよう。」 そもそも、誓いの意味がある婚姻ではないこと位レオニードでも知っているし、劉祜は他国の民の命を保証できる立場なのかといえば今のレオニードには分からなくなってしまっている。 だからこそ、劉祜のこの言葉が、彼の最大限だということが理解できる。 「ありがとうございます、皇帝陛下。」 レオニードは座っていた椅子から立ち上がって頭を下げる。 このポーズがこの国での正式な挨拶だということは、もう学んでいた。 そこで、彼の事をもう“暴虐王”だと全く思っていないことに気が付いた。 そして、今まで暴虐王という幻ごしに彼を見ていたのだろう。

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