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花見6

そんなレオニードをまるで無視するかのように、ここにいるすべての人間を見渡す。 その眼光は鋭く、暴虐王と言う名にふさわしいのかもしれないと一瞬思ってしまう位ゾクリとした。 戦闘というものに慣れているレオニードでさえそうなのだ。 ユーリィに至っては青白い顔をして、なんとか悲鳴を押さえている。 他の人間たちも怯えた様に立ちすくんでいることがわかった。 「そんなに、見つめんとてや。」 緊張にも似た雰囲気をぶち壊したのは、晃だ。 親し気に言う、晃を一瞥すると「戻るぞ。」とだけ劉祜は晃に言う。 まるでそれを当たり前の様に許容して、「はいはい。」と返事をする晃は劉祜と相当に親しいのだろう。 そんな事が分かる気楽さで晃は返事をして、その返事を待たず踵を返す劉祜の後を追いかけていた。 彼とは仲がいいのだろうかと、ふと疑問がレオニードにはわいた。 「またな、姫さん。」 結局最後まで姫呼びを直さず晃は軽薄にひらひらと手を振ってその場を立ち去る。 「あの方は……。」 半ば確信があったもののレオニードは奉公人にたずねた。

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