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誓い3

「なあ――」 謝りたかったのかもしれない。それとも違ったのかもしれない。 その後の言葉は紡げなかった。 「危ないっ!!」 突然の殺気に劉祜もろとも横に倒れる様に避ける。 警護の者がいたはずだ。それなのにそれをかいくぐって近くまで来ているのであろう刺客の放った矢が、先ほどまで劉祜がいたであろう位置に刺さっている。 「警護っ!」 怒鳴る様に叫ぶと、湖の先にある茂みがごそごそと揺れる。 帯刀を頼めばよかった。 せめて、弓があれば違ったのかも知れない等と思ってしまう。 劉祜をかばい続けられるだろうか。 敵は何人だろうか。 幸い湖は見晴らしがよい。茂み以外に隠れられる様な場所は無い。 「妃に庇われるのは醜聞がよくないかな?」 劉祜は場にそぐわない言葉を言う。 「そんなもの広める様な男じゃないだろ、アンタは!」 身を挺して守ることにどれだけの価値があるかは分からない。 実際劉祜は強いのだ。レオニードに守られる必要はそれほどない。 けれど、万が一の事があった時レオニードと影響が違いすぎること位、レオニードにも分かっている。 警護の者が一人こちらへ駆けつける。 「賊を発見。対処いたしました。」 静かに告げる。 「他は?」 レオニードの口から出た声は酷く硬いものだった。 「いえ、探索しておりますが問題ないかと。」 返す言葉にレオニードは少しほっとした。 「城にひきかえすか?」 レオニードは劉祜に聞く。 「まさか。命を狙われたからで予定を変更していたら一生何もできなくなる。」 酷く不遜な態度で劉祜は言った。 暴虐王として、それが日常なのだと宣言する様だった。 それがこれからも変わらぬことだと言い聞かせる様にも聞こえた。

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