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誓い5

少し馬を走らせて、離宮にはすぐに付いた。 小高い丘の上にその建物はあった。 石垣の上にレンガ造りの壁が見える。その中に屋敷があるそうだ。 塀の中に入るとその屋敷が見えた。 色数の少ない外観は、どちらかというと質素に見える。 けれど、細かな彫刻が施された木造の建物はとても美しい。 あの後、刺客は襲ってはこなかった。 近くに人の気配も無い。かなり周りを確認しているが護衛の数人以外は恐らくいないだろう。 先ほどのあれは、偶発的なものだったのだろうかとレオニードは思う。 馬を繋ぐ。予定になく馬を速く走らせてしまったので草と水を十分に与え、そっと撫でてやる。 横を見ると劉祜も同じ様にしていた。 それから、劉祜に招かれるまま屋敷に入る。 劉祜は一言、二言護衛に何か指示を出すと護衛達は塀に囲まれた門の外に言ってしまった。 屋敷の中には誰もいなかったがきちんと手入れは行き届いている様だった。 気にした様子も無い劉祜は荷解きをした後、レオニードに笑いかける。 先程までの事は、全部、無かったかの様な態度だ。 勿論それには、レオニードの告白めいた言葉も含まれている。 媚びを売るために言われなれていた言葉かもしれないと思う。 けれど、ここまで変化がないのは寂しくもあった。 まるで何も無かったように流されてしまう様な軽い気持ちから漏れた言葉ではなかったから。 とはいえ、どうしようもない事だ。 どんな風に思っていようが、彼が暴虐王でレオニードが人質であることには変わらない。 気を取り直して、日々を暮らすしかないのだ。 「ここには誰もいない。」 だから、劉祜が突然話し始めて少々驚いたのだ。

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