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誓い8

嫁いだ先での夜の作法は、王宮で教わった。 帝王学をと劉祜は命令していたのだろうけれど、気を使った奉公人の一人が妃の作法をレオニードに教えていてくれたのだ。 使わないだろうと、思い出さない様にしていた知識が役に立っているのにレオニードは内心微妙だった。 一人で入るからと告げて湯で体を清めて準備をした。 不思議と受け入れる事に恐怖心や違和感はなかった。 ただ、あの孤独な王様に触れたい気持ちの方が強かった。 ◆ 寝室は普段レオニードが使っているものよりも広い寝台が一つだけ置かれていた。 言われなくてもわかる、夫婦のための寝室というしつらえだった。 嗜みだと言われて取り出された香油は甘ったるい匂いがする。 腹ばいになって尻を上げる体制は、行為に慣れない人間にとって一般的だということをレオニードは知識で知っている。 けれど、あらぬ場所を晒している恥ずかしさはある。 準備をしたことについて劉祜が一切触れないことがありがたかった。 言葉はお互いにあまり出てこない。 けれど、愛おしい人に触れられることがこんなにも快楽を伴うとは思わなかった。 レオニードは熱い吐息をもらしながら、枕で声を抑えた。

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