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誓い9
香油を塗られた場所が、火照ったみたいに熱い。
多分それ用のものなのだろう。
初めてなのに、いやらしい音を立てている気がしてレオニードはいたたまれない気分になる。
まるで、自分がしたくてたまらなくて酷く淫乱になった様な気分になるのだ。
一番深い部分で繋がりたいと願っていることは事実だけれど、粘着質な音がまるで自分が女になった様な錯覚がする。
中を探る手はそのままに、劉祜がレオニードにおおいかぶさる。
それから、項から肩甲骨にかけて口付をしていく。
レオニードの体を確認して、一つ一つ劉祜のものと確認していくような口付けだった。
肩甲骨を撫でる様に舐められてレオニードは「ひうっ――」という高い声を上げる。
自分の背中は見たことが無いけれど、恐らく武骨な男らしいものだろう。
肌こそ生来の白さがあるものの筋肉は確実についている。
特に最近は剣術に打ち込んでいるから、多分きっと背中も筋肉に覆われている。
けれど、劉祜はまるで大切なものを扱うみたいに、ちゅっちゅっと口付を落として舐めあげる。
それから、レオニードが強く反応した箇所を痛い位強く吸い上げる。
痛みと下肢の違和感と経験のない快楽にレオニードは震える。
女との経験があるとはいえ、こんな風に背中を愛撫されたことも中を探られる様に撫でられたことも無い。
「ひあぁっ……。」
ふいに声が漏れる。
レオニード自身も何故突然こんな風に声を上げてしまったのか分からない。
けれど、快感で目の前がチカチカしていることも事実だった。
一瞬何が起きたかさえも分からなかった。
「ここか。」
劉祜がもう一度中を撫でる。それから吐息だけで笑う。
それはとても嬉しそうで、決して馬鹿にしている様なものでは無かった。
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