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許し3

愛おしい人の目の下にはクマが滲んで見えた。 無事でよかったと思ったが、クマが出来てしまう位時間が経っているのかと思い知る。 涙で滲んだ視界が劉祜の胸でいっぱいになる。 抱きしめられたのだと気が付くのに、少々の時間を要した。 劉祜の温かさにようやく生きていることを実感する。 この人の元に戻ってこれたのだと、涙がにじむ。 あなたが無事で良かった。愛してる。心配をかけた。浮かんでくる言葉は沢山ある。 それがあふれる暖かな涙になっていることはレオニード自身よく分かっていた。 恐らく劉祜も泣いているのだろうことが分かる。 失礼しますとユーリィが部屋を出る挨拶を聞いた。 それでレオニードは息を軽く吸う。 彼は王であることを望んでいる。だから話さねばならぬ事がある。 それはいたわりの言葉ではない。 「晃は無事でしょうか?」 自分で短刀を投げつけておいて何を言っているのだと思わなくもない。 けれどレオニードは劉祜のために、晃の壮健を確認せねばならなかった。 彼に悲しいことをさせてはならないと、レオニードはそう思った。

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