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許し4

「今は自宅療養中だ。」 劉祜が嘘を付いている様には見えなかった。 実際にかれは謹慎中なのだろうと察する。 「皇帝としてやらねばならぬ事がある。」 まるで自分自身に言い聞かせるように劉祜は言った。 別にレオニードは誰かに恩を売りたかった訳ではない。 それに、本当に奇跡なんてものがおこるとは思っていなかったのだ。 晃に恨みは別にない。 ただ劉祜の傷を引き受けられて良かったという思いしかない。 あの時あの場所で怪我をしたのが自分でよかった。レオニードはそう思っていた。 「俺は、王様であるあなたの事が好きだよ。 あなたが悪逆非道の王妃にだってなってやる。」 そう言っただろ? レオニードが聞くと劉祜は「けれど」と言った。 「実際に切られたのはあなただ。 あなたがあなたの友を許す、というのであれば、俺も許します。」 本心だった。 「後遺症が残るかもしれないんだぞ!? それに傷跡だって、残るだろう。」 レオニードは笑い飛ばした。 自分は元軍人の男だと。そんなことは最初から劉祜は知っていた筈だと。 「そんなことはどうでもいい事だ。」 レオニードははっきりと言った。 実際レオニードの体は細かい傷だらけだそれは素肌を見た劉祜だって知っているはずだ。 「劉祜が彼とあの少女のために王でありたいとこれからも願ってるんだろう?」 俺のために友を手にかけなくて良かった。 「……で、そもそもなんでこんなことになったんだ?」 聞く権利位、自分にもあるだろう。とレオニードは劉祜にたずねた。

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