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許し7

「あなたを裏切る様な真似はしませんよ。」 もう、とは言わなかった。 何も知らずこの国にきて、彼の事を何も知ろうとしなかった時してしまった我儘の話をまた持ち出されても、劉祜も困るだろう。 ただ、言いよどむ劉祜に話を聞きださねばならぬと思った。 レオニードはきちんと自分に向けられた敵意に、今は気が付いている。 晃は確かにレオニードに敵意を向けていた。 今回殺意を向けられたのも、実際に切られたのも劉祜だったが、彼の敵意はレオニードにも向いていた筈だ。 だからこそ、話さなければならぬとレオニードは思ったのだ。 敵対する相手としてきちんと話をせねばならないと思った。 「分かった。」 努めて冷静を保とうとする様な声で劉祜が答えた。 そこに劉祜の深い思慮があることにレオニードは気が付いている。 だから彼に深く感謝をした。

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