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王の条件、英雄の条件1

それから、レオニードは劉祜にこう尋ねた。 「あなたは、何のために王になって、何のために王であり続けるのですか?」 レオニードは劉祜が友のために王となって、友のために王であり続けていることを知っていた。 それに、レオニードが目覚めた時疲弊しきった顔をしていたことも知っている。 だから、これは酷な問いかけだとレオニード自身よく分かっている。 けれど聞かねばならない質問だった。 劉祜ではなく、晃の肩がぎくりと震える。 彼は誰のために王であり続けるのだろうか。 「魔獣の王を倒すのに、手勢は何人必要だと見積もった?」 劉祜が返事をしなかったため別の質問を重ねる。 大きな組織を動かさねば勝てぬという話なのか、それとも。 組織だった大きな動きが魔獣の主にあるのであれば、もっと早くに、少なくとも軍にいたレオニードも知っていた筈なのだ。 それであれば。 自分の頭に浮かんだ案をありえないと打ち消しながらレオニードは劉祜を見つめる。 劉祜は相変わらず何も答えない。 晃が馬鹿にするような笑いの乗った声で口を開いた。

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