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めでたしめでたしのその後で2

馬を使って、帝国が平定した交易都市に行く。 黒い髪の劉祜と銀髪のレオニード二人で居て悪目立ちしない場所は限られている。 流通の要所は、様々な人間が行きかう。 この街であれば変に勘繰られることも無いだろう。 実際様々な人種がこの街では暮らしていた。 ひとまず宿をとって住むための場所を探す。 二人きりの生活は初めてのため、そわそわとした気持ちになってしまう。 特別さは何もない宿なのに、妙に浮ついた気持ちにレオニードはなっていた。 大人になってからこんな気持ちになったことはなかった気がする。 レオニードは劉祜を見る。劉祜も照れたように笑う。 少しの間だけ、王だったという事も、国の事も忘れてしまっていいのではないかとレオニードは思った。 それは国というものの重責を、いまだにほとんど感じる事さえできない所為なのかもしれない。 それでも別によかった。 結局レオニードには王の何たるかは分からなかったけれど、それで劉祜を失わずに済んだのならそれでよかった。 ◆ 体を清め、レオニードは寝間着を着てそのまま寝台へ向かう。 劉祜は寝台に腰を下ろして、書簡の様なものを読んでいた。 劉祜はレオニードが戻ってきたことに気が付くと、書簡を寝台の隣にある棚の上に置く。 劉祜はレオニードと揃いの寝間着を着ている。それが王様らしくなくて少しだけ愉快な気分になって、寝台の真ん中で腰を下ろしている劉祜の元まで行って、彼の太ももの間に跨る様に向き合う。 吐息が聞こえる距離、唇同士がもう後少しで触れてしまいそうな距離。 その距離でレオニードはふわりと笑う。 無骨な印象のあるその顔立ちに似合わない穏やかな笑みを浮かべる。

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