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めでたしめでたしのその後で3
「どうした?」
劉祜がレオニードの短くなった髪をなでながら聞く。
貴族らしさを求めて伸ばしていた髪の毛はすっきりとしているのに、劉祜は楽しそうにレオニードの髪をすくように撫でていた。
本当の二人きりになれたのは久しぶりだった。
「どうもしないけど、ただ――」
あなたに触れたい。
ただそれだけなのにどう伝えたらいいのか分からない。
視線の先の劉祜も多分きっと分かっている。
返事の代わりに口付けをされる。
二度ほどやさしく唇同士が触れ合う。
それから一番近い場所で劉祜とレオニードの視線が絡む。
そのまま二人は目を閉じてもう一度唇を合わせる。
舌を絡めるときに出てしまった熱い吐息は、この後の行為を期待している証だ。
レオニードは自分が過去に抱いた女性の事がこういう時どうしていたかを思い出そうとしてやめる。
比較できるようなものではない気がするし、比較すること自体劉祜にも女性にも失礼だと思った。
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