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⑤
と、思い出しただけで胃がキリキリと痛い
鳥肌が立つほどの寒気も感じる恐ろしい出来事で、久々に寝付きがすこぶる悪かった
その元凶が……
「陰山、パスポートって父さんのでも大丈夫?」
目の前にいる
「大丈夫な訳ないだろ!常識で考えればそれぐらい分か……いや、それよりも俺は一人になりたい。
貴様と話す事はない」
「うんうん!俺も陰山と喋りたい!」
「………」
なぜこいつには俺の言葉が通じてないんだ?
昨日もそうだが、こいつどこかズレている……
そんな時
「あれ?珍しい~陽向と陰山が喋ってる!」
クラスメートの一人が普段見ない組み合わせに気がついたらしい
何で、何で?そう、しつこく聞いてくる騒がしい奴もきっと陽向と同類に違いない
(どうでもいいから、こいつとどこかに行ってくれ!)
そう答えようとした俺よりも速く
「だって、俺たち付き合ってるもん、なー?」
「………は?」
身に覚えのない事を
しかも俺に同意を求める様に、こっちに笑顔を振りまいてきた
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