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第2話 - ①
恋の始まりは…
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「九條ッ、俺にも見せて見せてッ…て、うわッ!…ゴメン陰山!」
「陽向ぁ、お前なにやってんだよ~」
「だってお前が見せてくれないから!あれ?雑誌どこ行った?」
ダチの九條(くじょう)と喋る事に夢中で、近くの席の陰山にぶつかってしまった
そんな俺にチラリと一瞥した陰山はまた目を閉じてほおづえをし始める
(いつも1人でいるよな~)
クラスメートなのに話した事はほとんどなくって
何の音楽を聴いているのか分からないけど、イヤホンを付け目をつぶる姿はお馴染みの光景
「陽向、俺の雑誌は?」
「え?えー…と」
九條に言われて再度
雑誌、雑誌…と、探していれば
「あっ、はっけ~ん!」
陰山の足元に落ちていた
陰山の席がちょうど窓際で、手を伸ばすにも微妙な感じ
だから
「あ、そうだ!」
人差し指を一本立てて、ナンバー1としたその状態で
陰山の肩をトントンと叩く…
と
「なんだー……ッ!」
「えへへ~」
振り向いた陰山の頬っぺたにムニッと指が突き刺さった
それが、俺と陰山の初めての会話
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