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「陰山っ、陰山!足元の雑誌取って取って!」 「……」 イヤホンを外した陰山はニコリともせず体を屈めて雑誌を拾ってくれる (ちぇっ!笑ってくんなかったな~) 友達の九條なら、一緒にバカ笑いするとこなのに。 目に掛かるぐらい長い前髪のせいか、表情が見えずらい それに人と喋ってる陰山を見てないせいか…あれ? そーいや陰山の… (笑った顔って見た事ないな) そんな風に思ってたら、ガンッと机に何かがぶつかった音と 「……だ!」 そして、震える小さな呟き声。 机の下から聞こえるその声を辿って見れば… 「え?」 「は、ははは、破廉恥だと言ったんだ!」 「え?え!?か…げ山?」 長い前髪からでも分かるほど顔を真っ赤にさせた陰山が 俺を見ていた

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