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第4話 - ①
忘れ物
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「雨か…」
ガヤガヤとした学校の玄関で
後は帰るだけの俺に待ち構えていたのは
アスファルトを濡らし、音をたて降り始めた雨だった
『あ~ついに降っちゃったね』
『帰るまで、もたなかったな』
俺と同じように帰ろうとしていた周りも同じように外を見てげんなりしている
天気予報では昼から雨
そうは言っていたけど、予報は予報
曇り空になりつつも案外持ちこたえていた天気に期待していた矢先に、降り出した雨だった
近くの駅まで走る人もいれば
傘を持っている人に便乗して入れてもらう人もいる
けど、俺は違う
(ちゃんとこうなる事を見越して、持ってきているからな)
雨に濡れて風邪でも引いたら元も子もない
その風邪を拗らせて、肺炎になって入院…
入院生活があまりに快適すぎてそのまま学校も行かず、さらには社会復帰する事が出来なくなって、食っちゃ寝、食っちゃ寝の自堕落生活で横綱みたいになって扉から出られなくなったら…
妄想だけで身震いを起こしそうになる
そうなら無いための、傘だ
たくさん傘が刺さっている傘立てから自分の傘を抜き、外に出ようとした時
あーーーッ居た、待って待って!
と馬鹿デカイ声を上げて
「陰山ぁ、良かった会えたーッ」
息を切らして陽向が走って来た
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