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第24話

最近、ユウリの様子がおかしい。 おかしいとゆうか、何となくだけど、雰囲気が変わった気がするんだ。 「暁、帰りに本屋に寄りたいんだけど、何か予定ある?」 三時間目の休み時間、珍しくユウリが俺のクラスにやって来た。 「なんもー。コンビニじゃ、駄目なの」 「お馬鹿❗コンビニは本屋じゃないわよ」 俺の返事に一葉が突っ込む。同じクラスで席も隣って、うざい、ウザすぎる。 「知ってるわ、けどな俺の愛読書は全てコンビニで揃うんだよ」 言い返してみたものの、余計にお馬鹿❗丸出しな事に自分でも気付いた。 「…ゴメン暁、コンビニでは買えない本なんだ」 呆れ顔の一葉と俺の顔を見比べて、ユウリは困り顔で微笑む。 「謝るなよ。てゆーか、俺が断るわけないんだから、わざわざこっちにこなくてもよかったのに」 とゆうのも、お互いのクラスが建物の端と端にあるから、行き来している間に貴重な休み時間が終わってしまうし、隙あらばユウリに声を掛けようとしている女子の脅威にユウリを晒したくなかったからだ。 「でも、顔も見たかったし」 小さいがハッキリ聞こえたユウリの呟きに驚く。顔が見たいって、俺の? イヤ、そうじゃないよな。 俺は隣でお菓子を口一杯に頬張って、もぐもぐしている一葉に視線を向ける。 「えっ、暁も食べたい?」 ユウリの声が聞こえなかったのか、俺の視線を勘違いした一葉が、お菓子をつまみ上げて、俺の顔の前でヒラヒラさせる。 「ほれ、あ~ん」 「いらんわ、ボケ」 一葉の手をはたいてから、そっとユウリの顔色を伺ってみる。 「二人は仲がいいね」 いつもなら、そう言ってユウリは寂しそうに微笑むのだけれど…。 今日のユウリは違った反応を見せる。 「じゃぁ、授業終わったら迎えに来るから待ってて」 固い口調でそう言うと、俺に背中を向けて歩き出した。 「ユウリ?」 思わず呼び止めた俺に、ユウリは振り返って、にっこり笑った。 「暁、お菓子は帰りに買って上げるから、それまでは摘まみ食いしないように」 「う、うん。わかった」 俺の返事に頷くと、ユウリは教室から出ていった。 何となく黙り込んでしまった俺に、一葉が呑気に尋ねる。 「ユウリ何か怒ってなかった?」 「お前もそう思う?」 最近ユウリに感じていた違和感は、ユウリが俺に怒っていると言う事なんだろうか? いくら幼馴染みとはいえ、自分の好きな女の子が他の男と仲良くしていたら嫉妬するよな。 これまでは、遠慮して我慢してたんだろう。でも、とうとう積極的にアピールするつもりなのかも。 「わざわざ、ここまで顔見に来るんだもんな」 いよいよ、ユウリへの想いを断ち切らなければいけないときが来たのかもしれないと、俺は考えていた。

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