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堅物教授vsドン・ファン学生 7

 その期待どおり、私はいつ何どきも取り乱してはならない。自分よりはるかに年少の若者、それも有名な女タラシのセリフを真に受けて、一瞬とはいえ心を乱すなど、あるまじきこと。プライドが許さない。 「あれ、羽鳥先生。また大のヤツにつきまとわれてるんですか?」  こちらの姿を見つけて近寄ってきたのは我が遺伝研の三回生の松下と芝で、結城とは同級生になる。昼食を終えて食堂から出ようとしていたところらしい。 「ああ、キミたちか」  さり気なく答えたつもりだが、救世主の出現にホッとしたのが伝わったようで、二人はニヤニヤ笑いながら私たちを見比べた。 「午後は実験がありましたよね。先生も忙しいのに、わざわざメシにつき合うなんて、こいつを図に乗らせちゃダメですよ」 「いや、学食のレギュラーコーヒーが飲みたくなったからで、別につき合ったわけではないんだ。インスタントにも飽きたしね」  私が否定の言葉を発すると、ひょろりと背の高い松下と小柄な芝のデコボココンビはなるほど、と納得した。 「そうですか、そんなことだと思った。さすがのタラシも思うようにはいかないってわけか。ご愁傷様」 「よう、大よ、おまえもマジでしぶといな。先生にアタック開始して、これで何週間経つんだよ。あきらめ悪いんだから」 「そうそう。だから言っただろ、いくらモテ男だからって、誰でもなびくと思ったら大間違いだぜ。イイ気になって賭けなんか……」

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