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賭けの対象? 7

「参加したいのはやまやまなんスけど、今、全然金持ってないんですよ。大した金額じゃないけど、そいつをひねり出すのも大変なんで。もっとバイト増やそうかな」  予想外の答えが返ってきて、私は呆気に取られた。 「フェイクのお嬢さんたちは値段の張る店しか行きませんからね。男連中には悪いことしちゃったかな」 「そうだ、それだって無責任だぞ」  でも、と結城は私の顔を見つめた。 「金があったとしても、やっぱり参加しなかったと思います。だって今の俺、先生のことで頭いっぱいだから」  ドキリッと心臓が高鳴る。動揺を面に出さないようにするのが精一杯の状態で、私は彼から視線をはずすと、わざと冷たい口調で告げた。 「賭けは取り止めになった、私を口説いてどうこうする必要もなくなったわけだ。それなのにいつまでもこだわるなんて、女性をこよなく愛するキミらしくないな」 「こよなく愛したのは過去の話ですよ」  過去の話か、やれやれ。若干ハタチ程度で過去とは恐れ入る。  結城はますます熱っぽい口調で訴えた。 「オレ、先生と運命的な出会いをして、人生観が変わりました」  そんなセリフを真顔で言うな、恥ずかしい。 「最初は金目当てっていうか、賭けがきっかけだったのはたしかだし、女の子も同時進行でオッケーのはずだったんだけど」 「ふうん。バイセクシャルにでも趣向変えしたと言いたいのかな」

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