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天敵現る 15

 いや、「認めたわけではない」などと考えるのは身勝手な驕りかもしれない。三田のようなファンはいくらでも出てくるだろうし、そんな彼らを差し置いて、師であり、親子ほど年上の私が恋人になるなど、あまりにもおこがましいことではないだろうか。  私と結城の間に恋愛感情など、存在してはならないのだ、彼の未来のためにも──  憔悴した私はタバコに火をつけた。立ち昇った紫の煙がいつもより目にしみた。

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