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嫉妬と不覚 1

 女よりも男の方が断然、嫉妬深いという説を聞いたことがあるけれど、ここまでしみじみと、また切実に感じるとは思ってもみなかった。  ここの学生会館の一階は食堂、二階のフロアは半分が学生協で、あとの半分は学生たちが自由に使える会議室に和室など。三階から五階までが各サークルの部室という造りになっている。  文房具を買い求めるため学生協に出向いた私が買い物を終え、廊下に出て階段へ向かおうとしたところ、会議室のドアから吐き出された学生の一団に出くわした。  派手な服装に流行のヘアスタイルが自慢げな、この大学の学生にしてはノリの軽そうな連中で、徒党を組んでは「マジ~ッ?」「めっちゃキモイ」「それってウザッ」などと軽薄な言葉を連発している。  教授に道を譲るつもりはさらさらないらしい。仕方なく彼らが通り過ぎるのを待っていたら、一番後ろから歩いてきたのは何と結城だった。真っ赤なTシャツにカーゴパンツを履いた姿がいつも以上にキマッている。  彼とは午後の実験の授業で顔を合わせていたが、実験棟を出てからはどこへ行ったのかわからず、研究室にも顔を見せなかったため、まさか学生会館に来ていたとは知らなかったのだ。  そんな結城にベッタリと寄り添っているのはあの生意気な一回生、三田洋だった。マリンルックというのだろうか、そのままヨットに乗り込めそうな格好で、紺と白のストライプのポロシャツが色白の肌に似合う。

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