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嫉妬と不覚 8
会議室に集まっていたのは例のサーフ&スノーのメンバーだった。
部として認可されていない、つまり部室が持てない同好会の場合、会議室や学生食堂、講義終了後の教室、時には喫茶店などに集まって部員同士の打ち合わせ、というパターンになる。どうしてもっと早く気づかなかったのだろう。
自分のことがお気に入りである三田の御機嫌伺いをしなくてはならず、退部どころか休部もままならなくなった結城は今までどおり会議やコンパに参加しろと命令された、これすなわち部長命令というわけだ。
もっとも、私の入院騒ぎと当人の怪我でコンパは免れたようだが。
「そう。悪かった、退院したらすぐに返すと伝えておいてくれ。キミもそろそろ帰った方がいい」
結城の気苦労はよくわかったが、三田との関わりが面白くない私はつい、顔を背けてしまった。
「あ、でも、まだ面会時間中だし」
「キミ自身も怪我をしているんだ、帰ってゆっくり休みたまえ」
素気無い私の言葉にいくらか落胆した様子の結城は「それなら、ナオヒコさんの連絡先を教えてください」と言い出した。
「尚彦の?」
「先生は一人暮らしでしょう」
故郷にいる私の両親が一昨年に相次いで亡くなったのを彼は知っていた。
「他に入院を知らせる人ってナオヒコさんだけじゃないですか、連絡しておいた方がいいと思って。お見舞いに来てもらえば先生も寂しくないでしょうし、今だって電話が通じなくて心配しているかもしれませんよ」
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