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パンダと茄子とクリスマス 2

 そんなしらじらしい言い訳をすると、訝しげな目つきでこちらをチラリと見た結城だが、それ以上は触れずに「荷物を持ちましょう」と手を差し出した。この時ばかりは素直に従い、紙袋を手渡す。  貸し出された松葉杖をつき、病室をあとにした私は結城と共に、病院前からタクシーに乗り、十五分もかからないうちに我が自宅・三階建てマンションの前へと到着した。  ここはキャンパスから徒歩で三十分以上かかる場所で入居希望者が少なく、そのため家賃が比較的安いのが魅力だ。  エレベーターを降り、最上階にある自室の前まで来ると、ズボンのポケットに入れた鍵を探る手が震えてきた。  退院の御供をしてもらった行きがかり上、「私の部屋でお茶でもいかが?」と声をかけなくては失礼だというプレッシャーを感じているからであり、また、バイトを休んでまで付き添ってくれたのに、今日はもういいから帰れと言い放てるほど非情にはなれない。そんなこんなの脅迫観念から焦っているのである。  邪魔者抜きで結城と一緒に過ごせるのは嬉しいはずなのに、密室で二人きりになるのが怖い。理性の箍がはずれて何を口走ってしまうか、わからないから怖いのだ。  ここでは講義の話でもして、お茶を濁すべきか。だが、そんな面白くもない話題で時間が持つはずはない。では問題のサークル事情はどうだろう。行き着くところは三田の……いかん、ますます焦る。

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