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パンダと茄子とクリスマス 15

 しらばっくれる結城、怒っている私の方が形勢不利なのが歯がゆい。 「電話はかけたけど通じなかったとか、忙しくて来られないらしいとか、何とでも言い訳できるのに、寝てて忘れたなんて、簡単に見破られるところが先生らしいなぁ」 「だから……」 「彼とはラブラブなふりをして、俺にヤキモチ焼かせる作戦だったんですか。なかなかやりますね」 「そういうつもりは……」  言いたい放題の結城に対して、次第にしどろもどろになる私だが、そもそも寝言を勝手に勘違いしたのはそっちじゃないかと抗議するにも言葉が出てこない。 「そんな作戦を立ててまで気を引くってことは、つまりですね」  さっきから握ったままの手をグイと引き寄せると、結城は身を乗り出して顔を二十センチの距離にまで近づけてきた。  この大胆かつ強引さがモテる秘訣なのだろうか、アップに耐えられずに、私は思わず目を伏せる。 「俺のことは嫌いじゃない、むしろ好きって捉えてもいいですね?」  勝手に結論を出すな! と言いたいのはやまやまだが、悔しいことにその通りなのだ。様々な迷いを抱えつつも、私が彼に惹かれているのは否定できない。 「じゃあ、今度こそキスしても……」  言い終わらないうちに、結城は私の唇に触れてきた。軽いフレンチキス。 「……短絡的、じゃないですよね」  いったん離したあと、再びキス、それもかなりディープだ。 「ん……」

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